■日大アメフト問題は体育会系部活のコミュニケーション障害が根底

目次

■日大アメフト部の選手が反則をし、相手チーム選手にけがを負わせた事件

この事件、について、反則をした日大の選手本人(20才)が謝罪の記者会見をしました。

 

その後、監督やコーチからの指示で反則をした(本人)

 

「そんな指示は出していない」(監督、コーチ)

 

といつもの?言った、言わない、と記者会見があり、

監督が身に着けたピンク色のネクタイ、

ケガを負わせた相手大学名を間違える、

それに対応する大学側の態度がなっていない、と怒りをあおる、という大炎上。

 

保護者の怒りもあり、そして、大学長の謝罪会見も行われました。

 

 

この一連の内容について、私たちは広い視野をもって考える必要があるのではないでしょうか。

 

監督、コーチが悪い、大学が悪い、選手が悪い、と怒り、攻める、のではなく、自分ごととして考えてみる機会を与えられたのだと思います。

 

 

■上からの一方的な指導は日本全体の社会問題

もうそろそろ上からの指導、スポ根的な言葉的指導が当たり前の体育会系は終わらせることを考えてみる必要があります。

 

スポーツは勝つために厳しい指導するのは当たり前だ、という価値観が日本やアジア諸国でも長期的に浸透し、続けられています。

 

対話ができない=コミュニケーション力に欠ける指導者が権力で指導した結果、選手が反則をおかしてまで勝つことを求められている、と判断したのではないかと思います。

 

さすがに暴力での指導はよくない、いう風潮にはなってきましたが、言葉の暴力は変わらずです。

 

コミュニケーション力とは一方的に伝えるということではありません。

 

相手の立場を理解し、自分の意見を冷静に、感情的に伝えること=対話力のことをいいます。

 

 

実は、学生時代にスポーツの世界で活躍した人が社会人になってから壁にぶつかるケースも多いのです。

 

ある女性は、小学生の時に入ったバスケットボール部で指導者に怒鳴られ、なじられて厳しく指導されました。

 

その時「自分はすべてを受け入れるしかない」と小さいながらに考えて耐えてきたそうです。

 

その結果、キャプテンになって活躍し、勉強の成績もよかったので有名私立大に入学しました。でも何のために大学に入ったのか、わからずに壁にぶつかり、鬱状態になりました。言われた通りにがんばってきた結果、たとえいい学校、いい会社に入ったとしても納得できていないので、からっぽになってしまうのです。

 

 

スポーツで勝つためには上からの圧力でやらせるしか方法はない、という考え方をリセットし、

選手が自分で考える、練習は楽しく真剣にする、という方法に転換してみるべきではないでしょうか。

 

■機長もコミュニケーション力を求められる時代

私自身が前職(航空会社の客室乗務員職)で担当した安全指導教官は、パイロットと共通の研修カリキュラムがありました。

 

パイロットの世界は以前は飛行機には機長、副操縦士、航空機関士、という3人体制でした。

 

機長は絶対的な権限があり、特に自衛隊から移行してきたパイロットは副操縦士に対して威圧的で、怒鳴り声がコックピットのドアから聞こえてくることもありました。

 

でも以前は3名だったからよかったのです。

 

3名なら言いにくいことも言える雰囲気になりますが、航空機の性能が上がり、今は多くの場合、2名体制で操縦しています。

「何かおかしい、」と副操縦士が感じたときに言葉に出せるかどうか、はそれまでのコミュニケーションができているかどうかに関係します。

 

機長もミスをおかします。その時に威圧的で上からの態度を取られていると言いにくい、ままためらってしまうのです。その結果、何等かのトラブルに結びつく可能性がある、という報告が多発しました。

 

副操縦士はどんな機長とフライトするのか、かなり緊張してフライトに臨みます。機長のほうから安全のために、積極的に仕事以外の話もしたり、話しかけやすい雰囲気づくりをする必要があります。

 

そのための教育もアメリカから導入されているそうです。航空機の現場は人の命を取り扱います。それでも日本の教育は遅れていると言われています。

 

今回のアメフト問題も状況は同じではないでしょうか。

 

■指導者と生徒、上司と部下の関係もコミュニケーションの質と量が結果に影響する

 

スポーツの世界だけでなく、社会全体が、です。会社も学校も家庭もです。そのためのひとつのメッセージなのかなと思います。

彼は大学生だから自分の言葉で正々堂々と記者会見で伝え、謝罪することができました。
おそらくこの経験は選手の人生にとってプラスになるはずです。なぜなら、この大きな事件によってスポーツの本質を真剣に考える機会を得たからです。

 

いずれ状況を静かに考え、気持ちの整理ができたら、自分の行動の責任を持てる社会人になってほしいと思います。

 

■小学生は何も言えないから、不登校になります。

私が注目している日本の小学生たちも似たような状況におかれています。

 

日本の学校では、子どもたちをコントロールするのが当たり前。新任の先生はどのように対応したらいいのかわからずに、学級崩壊防止のため、と子どもたちを言葉の暴力で支配してしまうケースも多いです。

 

小学生も大学生も社会人も同じです。

本人が納得するように説明し、対話し、受け入れられるようにサポートするのが指導者であり、リーダーです。

いえ、学校だけではなく、家庭でも同じ感覚です。人ごとではなく、自分ごととして考えたいですよね。

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