■パパもママも安心して親になるためのネウボラ制度
今、日本全国の行政単位でネウボラ制度への関心が高まっているようで、
フィンランドへの視察が増えていると聞きました。
ネウボラ制度とは、妊娠がわかった時から6歳まで保健師さんが個別に子育てについて医療面、メンタル面をサポートしているフィンランド独自の制度です。
フィンランド大使館のマルクスさんにお話しを伺う機会がありました。
ご自身も2人の息子さんの子育て中でありネウボラ制度を活用されている実体験と
制度について詳しくご紹介くださいましたのでお伝えします。
日本は自治体によって福祉や教育などの制度が違いますが、
フィンランドは国全体でどこに住んでいても自治体から同じ制度を受けることができます。
有名なのは妊娠がわかると育児パッケージというプレゼントをもらえること。
子どもが1歳になるまでに必要な育児用品
すべてがフィンランドらしいデザインの箱に入っていて、ネウボラ制度に健診にやってきた親に贈られます。
国からのお祝いですね。
子どもを大切に国としても育てていこうという気持ちも伝わってきます。
お金とこの育児パッケージとどちらか選べるそうですが、多くの親が育児パッケージを選んでいます。
ムーミンがデザインされたボックスはそのままベビーベッドにもなるそうです。
同じ年齢の子どもたちが同じデザインのベビー服を着ることになるので、すぐに声を
掛け合って話ができる、というメリットもあるようです。
この政府からのプレゼントを受け取るためには健診を受診することが条件なので
利用率は99%。
■尊敬される特別な資格であるネウボラ保健師さん
担当するネウボラ保健師さんは特別な資格で看護師資格も持ち、
国が行う研修を受けることが必要で、教育レベルも、医療従事者としてのレベルも高いので人気職業で、尊敬されているようです。
信頼度が高い、ということですね。
ネウボラ制度が行う内容は
メディカルチェックやメンタル面の相談。
出産後1才までは毎月検診があり、
6才になるまで、子どものケアの仕方、コミュニケーションの取り方
遊び方など様々なアドバイスがあります。
■個別に対話で子育ての不安を解消する
検診は集団ではなく、個別です。
日本と大きな違いは対話があることです。
親としての悩みや不安は個々で違うので
ひとりのネウボラ保健師さんが担当してくれて、継続的にサポートします。
父親も参加して、母親と一緒に親になる準備をします。
母親と同じくらい、心の準備ができることが親としての自信と自覚を促します。
フィンランドは男女平等なので
「父親にできないことは母乳を与えることだけです。」という言葉が印象的でした。
フィンランドらしいと感じたのは
指針は伝えるが、決定権は親にあること。
たとえば、おむつを紙にするのか、布にするのか
寝る時に同じベッドにするのか、別室にするのか、など
その影響について説明しても責任は親にあるというところです。
日本の医療レベルは高く、素晴らしいのでネウボラ制度によって対話的な子育て支援が広がることを願います。